令和7年9月5日のメッセージ
会社は「攻めの経営(売上拡大・新規事業)」だけでなく、「守り(リスク回避)」が不可欠です。
労務管理は、まさに会社のディフェンスライン。
就業規則、労働契約、労働時間管理などを整えることで、トラブルが起こったときに会社を守る盾になります。
未払い残業代 → 数百万円~数千万円の請求
不当解雇 → 労働審判・裁判リスク
ハラスメント → 企業の信用失墜、優秀人材の離職
外国人雇用や高齢者雇用など法改正に未対応 → 行政指導や助成金返還
これは「ディフェンスが甘い状態で試合に臨む」ようなものです。
労務管理を固めることで、経営者は安心して攻めの戦略に集中できます。
例えば:
労働時間管理を徹底している → 長時間労働問題に悩まされず、採用活動にもプラス
ハラスメント防止体制を整備 → 働きやすい職場として人材定着率アップ
正しい就業規則運用 → 解雇・懲戒時も法的リスクを最小化
社労士は「労務のディフェンスコーチ」のような存在です。
法改正の情報提供 → 会社が“ルール違反”しないようサポート
規程や制度設計 → いざというときに「守りきれる会社」をつくる
労務トラブルの予防策 → 会社が攻めに集中できる環境を用意
✅ まとめ
「労務管理が甘い会社は、試合開始前からゴール前がガラ空き」
「労務管理が堅い会社は、安心して攻めに出られる」
社労士視点では、労務管理を単なる事務作業でなく会社のディフェンス強化策として経営に直結させることが重要だといえます。
令和7年9月4日のメッセージ
近年、会社の仕事から属人性を排除して、誰でもできるようにしたいと相談受けることがありますが、この業務フローのルーチン化には大きなデメリットもあります。
それは、社員のやりがいがなくなり、逆に離職率が上がる場合があるということです。
以下、メリットデメリットを解説いたします。
効率化・標準化:誰が担当しても一定の品質で仕事ができる
引き継ぎ容易:退職・休職の際にも業務が止まりにくい
労務リスク低減:属人化した業務の失敗や不正を防止できる
これは経営的にも労務管理的にも大切で、特に人手不足の時代には欠かせません。
一方で、すべてを「マニュアル化」「ロボット化」してしまうと、社員のやりがいが失われる危険があります。
自分にしかできない工夫が成果につながる
経験や知識を活かす余地が「成長実感」につながる
裁量の余地が「信頼されている感覚」を与える
つまり、人事労務的には「属人性=モチベーションの源泉」でもあります。
基礎業務はルーチン化:最低限の品質と効率を担保
発展業務は属人性を尊重:改善提案や工夫の余地を残す
評価制度に反映:マニュアル遵守だけでなく、創意工夫や成果を評価に組み込む
キャリア形成と連動:属人性を「専門性の蓄積」として育てる
✅ まとめ
ルーチン化は「組織の安定性」、属人性は「社員のやりがい」。
社労士的には「両方のバランスをどう保つか」が人材定着・モチベーション向上の鍵だといえます。
令和7年9月3日のメッセージ
有給休暇は「請求されたら原則与える」
会社は「今は忙しいからダメ」と断れません。ただし「時季変更権」といって、事業運営に大きな支障がある場合には日程変更をお願いできます。
36協定がないと残業はできない
社員が自主的に残業しても、36協定が締結・届出されていなければ「違法残業」となります。
休職規程はトラブル防止の必須アイテム
「病気のときは有給消化後はどうなるの?」「復職できなかったら?」といったケースで揉めがち。就業規則に休職の定めを入れておくことが安心につながります。
雇用契約書はアルバイトでも必要
正社員だけでなく、パート・アルバイトにも必ず雇用契約書を交わさないと労基法違反です。特に「労働時間」「休日」「賃金」の記載は必須。
労災保険は社長にも加入できる
原則として役員は労災に入れませんが、「特別加入制度」を使えば対象となります。現場作業をする社長には重要です。
試用期間でも解雇は慎重に
「試用だから簡単に切れる」と思いがちですが、正社員同様に合理的な理由が必要。裁判でも無効とされることが多いです。
こうした豆知識を知っているだけでも、ちょっとした労務トラブルを防げますよ✨